平成29年11月21日、第36回心理臨床学会にて、
「別居後に子から引き離された親の受ける心理的影響-連れ去りや面会交流の拒絶による有害な心理的影響-」というテーマで発表してきました。
これは、親子ネットさんで取らせていただいた質問紙調査、アンケートをまとめたものです。
解答者が34名と少数であったこと、コントロールグループの欠如、心理的ケアを求めていると思われる人による回答というバイアス、があるため、この結果をもって心理的影響がどの程度のものであるかを断定することはできませんが、少なくとも子を連れ去られ、引き離されたことで希死念慮を持つ人がこの国に11名いたことは理解できました。

影響を簡単に説明すると、連れ去り・引き離しは、精神的DVと考えるべき程度の心理的苦痛を与え、希死念慮を持つ人が少なくないという可能性が示唆されました。
回答者のほぼ全員に、トラウマ反応がPTSDと診断されうる程度の強度で見られ、抑うつは約半数が最重度・重度の状態になるようです。
連れ去りが違法かどうかは、司法・立法にお任せすることになりますが、少なくとも連れ去り・引き離しが精神的DVとして認識され、ケアされ、またDV防止法に明記されるべきものであるという資料の一つになったと考えています。

別居後に子から引離された親の受ける心理的苦痛

別居後に子から引き離された親の受ける心理的苦痛