A.片親疎外の状態である可能性があります。片親疎外とは、ウォーシャックによると中核的要素(子どもの見せる症状)として、?別居親に対する一連の誹謗中傷や拒絶?エピソードが単発的ではなく持続的、?不合理な理由による拒絶?別居親の言動に対する正当な反応と言えない疎外、?同居親の言動に影響された結果としての拒絶の3つがすべて立証されるとき、片親疎外と考えられるとしています。

他にも、連れ去りによるトラウマ反応としての症状の可能性があります。今までの友人関係等を絶たれショックを受けたり、環境が変わる事への不適応、またそのことから助けてもらえなかったあなたへの怒りがあるのかもしれません。

もう一つ考えなければならないのは、相手方(同居親)による虐待です。身体的虐待に限らず、心理的虐待によっても発達障害児のような行動を示すことがあることは以前から知られていましたが、脳の研究から虐待によって特定の部位の萎縮や機能不全が後天的に生じうる(エピジェネティックな変化)ことが解明されてきました。日本における虐待や発達障害研究・治療の第一人者である杉山先生はこれを「第4の発達障害」と呼んでいます。