A.こういった人間不信を引き起こす事態への憤りに加え、先の見えない不安や生きていることの意味すら見失ってうつ病やアルコール依存症になったり、自死という選択をしてしまう方が後を絶ちません。

まず第一に、お子さんのために状況を改善するための努力を惜しまないことが重要かと思いますが、それでも最高裁でも否定されることは十分に考えられます。ですから、初めから考えなくてはならないのは、調停から審判に至る行動の目的を「子の福祉のため」と明確な信念を持つことです。あなたの正義を全うすることも従たる目的として考えていただいて構いませんが、最も重要なのは「お子さんのために戦うのだ」、という揺るぎない信念を持つことです。

面会交流をすることでお子さんが心身共に健康に育つ、相手方よりもあなたの元にいることでお子さんを幸せにすることができると信じるから争う覚悟を決める、あなたが相手方の理不尽な要求を呑んで和解するのはお子さんの笑顔を守るため、あなたを欺し裏切った相手方と冷静に連絡を取ろうと努力するのはお子さんを不安にさせず、どんな相手に対しても人としての正しい接し方があるとお子さんに教えるため、全てを失ったと感じてもあなたが生きる意味を見いだそうと努力し明るく生き続けようと歯を食いしばるのはいつかお子さんがあなたの生き様を見て「そんな状況でも生き抜く」親の姿を子どもに見せるため…、すべてあなたの愛するお子さんを自由にし、人として正しい道を歩ませるために他なりません。

前述のように同じ境遇の人はたくさんいますから、そういった人(サバイバーと呼んでもいいと思います)の経験をお聞きすることは生きる意味を見つけなおすきっかけになるかもしれません。
もし、それでも日々の悪夢に苛まれ生きる気力を失ってしまったときは、ためらわずに信頼できるカウンセラーや精神科医などに相談して下さい。どんなときであっても誰かが助けてくれることを将来お子さんにお話ししてあげることができます。

あなたが新しい生き方を見つけても、新しいパートナーと親密な関係を築いてもお子さんへの深い愛情を持ち続けるならば何も罪悪感を感じる必要はありません。そしていつか同じ悩みに苦しむ人が目の前に現れたら是非その人の力になってあげてください。